就任のご挨拶(理事長 椎橋 隆幸)
本年6月から平井紀夫前理事長の後任として理事長に就任しました。私も山上皓元理事長及び平井前理事長の「被害者への深い思いと被害者支援への強い思い」を継承して被害者支援活動を推進していく覚悟です。どうぞよろしくご支援・ご協力をお願い申し上げます。
私は刑事訴訟法の研究者として過ごしてきました。30代後半の時被害者学の研究をしていて気づいたことは、被害者は犯罪の当事者であるにも拘わらず、刑事司法の中で極めて小さな役割しか与えられていない(単なる「証拠」として扱われていたとも評された)ことが分かりました。犯罪によって蒙る身体的・精神的・経済的被害に対する支援の体制も同様に不十分なものでありました。これらの被害者の窮状を改善するために被害者等、被害者支援団体、警察、検察、弁護士会、民間の公益財団、医療関係機関、国の関係各機関と地方公共団体等々の懸命の努力により、この30年で被害者の地位は大幅に向上されました。平成16年制定の犯罪被害者等基本法には「全ての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」とし、そのための施策は、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れなく受けることができるよう講せられる、と謳われています。
私は、「犯罪被害者保護関連二法(平成12年)」、「犯罪被害者等の権利利益保護法」(平成19年)に法制審議会臨時委員として参加し、また、内閣府第3次基本計画の基本計画策定・推進諮問委員会の座長として関与し、さらに、神奈川県犯罪被害者等支援に関する有識者懇談会(平成19年~20年)及び東京都犯罪被害者等の支援に関する有識者懇談会(令和元年~2年)に座長として条例の制定等に関与する機会を得ました。加えて、国家公安委員会犯罪被害者検討専門委員として、いわば外側から民間の被害者支援活動のお手伝いをした経験があります。そして、当全国被害者支援ネットワークには、監事として(平成23~26年)、また、理事として(平成29年~現在)関わってきました。監事時代は大学内の仕事で多忙であったこともあり、故荒井洋一監事に全面的に助けていただいた状態でありました。さすがに平成30年に副理事長を拝命してからは以前よりは自分なりに努力してまいったつもりではありますが、やっと被害者支援活動の概略が見えてきたという段階です。これからは理事長として平井前理事長の思いを引き継ぎ被害者支援活動を確実に前進させていく覚悟です。
当面は、平井前理事長の下で決定した令和2年度の基本方針の実現のため次の5つの事業を加盟団体及び関係機関・団体と連携しつつ進めて参ります。すなわち、「被害者が全国どこにいても、いつでも(24時間365日)、求める支援が受けられ、被害者の声に応えることのできる活動」を実現するための条件整備の充実・強化のために、⑴支援活動の質の向上、⑵相談員等、事務局員の意欲の向上、⑶組織体制の強化、⑷広報啓発活動の充実・強化、⑸被害者緊急支援金の継続的な運営と充実、です。 これらの事案を着実かつ精力的に進めていくことにより、被害者の尊厳にふさわしい処遇が保障され、被害者が再び平穏な生活を営むことができるような支援を実現してまいります。
日頃から犯罪被害者支援活動にご理解・ご協力いただいている関係機関・団体を始め皆様の一層のご支援を願い申し上げます。
令和二年六月 公益社団法人全国被害者支援ネットワーク 理事長 椎橋 隆幸
私は刑事訴訟法の研究者として過ごしてきました。30代後半の時被害者学の研究をしていて気づいたことは、被害者は犯罪の当事者であるにも拘わらず、刑事司法の中で極めて小さな役割しか与えられていない(単なる「証拠」として扱われていたとも評された)ことが分かりました。犯罪によって蒙る身体的・精神的・経済的被害に対する支援の体制も同様に不十分なものでありました。これらの被害者の窮状を改善するために被害者等、被害者支援団体、警察、検察、弁護士会、民間の公益財団、医療関係機関、国の関係各機関と地方公共団体等々の懸命の努力により、この30年で被害者の地位は大幅に向上されました。平成16年制定の犯罪被害者等基本法には「全ての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」とし、そのための施策は、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れなく受けることができるよう講せられる、と謳われています。
私は、「犯罪被害者保護関連二法(平成12年)」、「犯罪被害者等の権利利益保護法」(平成19年)に法制審議会臨時委員として参加し、また、内閣府第3次基本計画の基本計画策定・推進諮問委員会の座長として関与し、さらに、神奈川県犯罪被害者等支援に関する有識者懇談会(平成19年~20年)及び東京都犯罪被害者等の支援に関する有識者懇談会(令和元年~2年)に座長として条例の制定等に関与する機会を得ました。加えて、国家公安委員会犯罪被害者検討専門委員として、いわば外側から民間の被害者支援活動のお手伝いをした経験があります。そして、当全国被害者支援ネットワークには、監事として(平成23~26年)、また、理事として(平成29年~現在)関わってきました。監事時代は大学内の仕事で多忙であったこともあり、故荒井洋一監事に全面的に助けていただいた状態でありました。さすがに平成30年に副理事長を拝命してからは以前よりは自分なりに努力してまいったつもりではありますが、やっと被害者支援活動の概略が見えてきたという段階です。これからは理事長として平井前理事長の思いを引き継ぎ被害者支援活動を確実に前進させていく覚悟です。
当面は、平井前理事長の下で決定した令和2年度の基本方針の実現のため次の5つの事業を加盟団体及び関係機関・団体と連携しつつ進めて参ります。すなわち、「被害者が全国どこにいても、いつでも(24時間365日)、求める支援が受けられ、被害者の声に応えることのできる活動」を実現するための条件整備の充実・強化のために、⑴支援活動の質の向上、⑵相談員等、事務局員の意欲の向上、⑶組織体制の強化、⑷広報啓発活動の充実・強化、⑸被害者緊急支援金の継続的な運営と充実、です。 これらの事案を着実かつ精力的に進めていくことにより、被害者の尊厳にふさわしい処遇が保障され、被害者が再び平穏な生活を営むことができるような支援を実現してまいります。
日頃から犯罪被害者支援活動にご理解・ご協力いただいている関係機関・団体を始め皆様の一層のご支援を願い申し上げます。
令和二年六月 公益社団法人全国被害者支援ネットワーク 理事長 椎橋 隆幸
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