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被害者支援の歴史とこれから

犯罪被害者とその遺族は長い間、適切な支援を受けることなく、社会の中で孤立してきました。しかし、1991年に開催された「犯給法制定10周年記念シンポジウム」でのある被害者遺族の訴えが、参加者の心を動かしたのです。これに呼応して東京医科歯科大学内に「犯罪被害者相談室」が開設。民間支援活動の第一歩となりました。そして、経済面での補償を目的とした「犯罪被害者等給付金支給法」だけではなく、被害者の尊厳と権利保護を目的とした「犯罪被害者等基本法」も制定され、被害者を巡る制度面の改善も徐々に進んできました。今後は声なき被害者へのアウトリーチ、被害者支援制度の拡充や残された課題への施策対応などが課題となっています。

年表

ある被害者遺族の訴え

犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム(平成3年)における
大久保惠美子さんの発言(要約)

私の息子は、去年の10月12日、飲酒運転者に殺されました。殺された後の数か月間、私はどうやって生きていけばいいのか分からず、本当に無我夢中で、日本には何か私を精神的に助けてくれるところがないのかと必死になって探しましたけれども何もありませんでした。

先程パネリストの先生からも、「日本では、被害者の声として出てこない、被害者の本当にそれがニーズなのか」という発言もありました。でも被害者の立場になりますと、はい、私が被害に遭いましたと大きな声で言って、大きな声で泣ける、そういう社会ではありません。今の日本は大きな声で泣きたくても泣けないんです。ただじっと自分で我慢しなければならないのが今の日本における被害者の姿だと思います。

日本では、そういう被害者を精神的に救う道が何もない。まずそれを創ってほしいと思うことなんです。

先程、「被害者が立ち直るためには同じ被害者同士での話し合いが一番大切だ」という発言がありましたが、それを支援してくれる専門家の方たちの助言がないとうまく立ち直っていけません。子供を殺された親は、このような辛い思いをもう他の人たちにさせたくないという気持ちでいっぱいなのです。どんな協力も惜しみませんから、10周年記念シンポジウムが開かれたこの機会に、是非、一歩でもいいんです。一歩だけでも踏み出してください。お願いします。