
本レポートでは、イギリス・ロンドンに設置されたPaddington Haven, near to St CharlesCentre for Health and Wellbeing(west)を視察して得られた知見を述べる。この施設は、ロンドンに3 か所ある性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(sexual assault referralcentres:SARC)、The Havens の中の一つである。本レポートは、日本の関係機関および専門家への情報提供を行うと共に、国内における性暴力被害者支援体制の構築に向けた示唆を得ることを目的とする。

まず、Police and Crime Commissioner(PCC)(警察・犯罪コミッショナー)および全国レベルでの協会(APCC)の役割について簡単に説明します。その後、同僚から被害者支援の調整における私たちの役割について説明し、最後に地域での実践事例を紹介します。 PCC 制度は2012 年に創設されたため、比較的新しい制度と言えます。全国的に見ても、PCC は、国・地域の両レベルで指導的存在として認知されることに苦労してきたと言えます。しかし近年では、この制度が強化され、地域レベルで成果を変革する有効な仕組みとして広く認知されるようになっています。

PCC(警察・犯罪コミッショナー)制度は2012 年に導入された制度である。イングランドおよびウェールズの43 の警察管区ごとに住民から選出されるPCC が、警察運営の透明化や民主的統制の強化を図りつつ、地域に即した「警察・犯罪計画(Police and Crime Plan)」を策定・実施する役割を担う。これに対して、APCC(警察・犯罪コミッショナー協会)は、これら43 名のPCC からなる協会であり、地域の優れた取り組みを国レベルに吸い上げるとともに、政府との交渉やPCC 間の調整を行う組織である。

フィンランドの人口は約570 万人で、全国に5 つの大学病院があります。ここヘルシンキ大学病院は、その中で最大規模です。当院の特定責任医療圏(特別医療地域)の人口は約220万人です。Seri サポートセンターは、まさにこの地域のニーズに応じて活動しています。 いくつかの運営データを示します。当病院は非常に大規模であり、国内の分娩総数が15,530件でそのうちの約8,000 件が当病院です。約1,200 名の職員が勤務しています。

本報告書は、フィンランドにおける性暴力被害者支援の先駆的モデルである「Seri サポートセンター」(性暴力被害者支援センター)への視察から得られた知見をまとめたものである。Seri サポートセンターが実践する、医療、法医学、心理社会支援を病院内で統合したワンストップ・サービスモデルは、国際的にも高く評価されている。本視察は、わが国にとって、性暴力被害者支援体制の強化に向けた具体的な示唆を得ることを目的に実施した。