退任のご挨拶(前理事長 平井 紀夫)

 このたび全国被害者支援ネットワークの理事長を退任させていただきました。
在任中は全国の被害者支援センターの皆様、ネットワークの役職員の皆様、そして警察庁、日本財団等多くの関係の皆様にご助言、ご支援、ご協力を賜り、深く感謝いたしております。
 理事長就任に当たり、犯罪被害者支援の民間団体として「日本に相応しい創造的な犯罪被害者支援活動を築く」ことを肝に銘じ、創設者の山上前理事長の思いを引き継ぐべく、組織運営方針として①「被害者への深い思いと被害者支援への強い思い」②「被害者のための被害者支援」③「組織的運営の強化」を掲げ、この運営方針を基本に据えたネットワークの3年計画及び10年ビジョン(犯罪被害者等が「全国のどこにいても」「いつでも」「被害者が求める支援に応えることができる活動」)によって事業を推進して参りました。
 振り返ってみますと、支援活動・人材育成に関しては、人材育成体系を再構築し、人材育成を組織的、継続的に進め、相談員等の質の向上に努めました。具体的には、従前から実施しているブロック研修や全国研修会に加え、課題研修やコーディネーター研修を進め、特にNNVS認定コーディネーターの育成・配置に努め、全ブロックに配置することができ、現在は被害者支援センターの支援活動責任者の育成にも努めていただいているところです。
また、犯罪被害者等電話サポートセンターの創設と運営に注力して参りました。電話サポートセンターは、全国ネットワークに相談電話を開設し、各被害者支援センターと連携しながら夜間・休日等被害者支援センターの活動が困難な部分を補完する活動であります。支援活動の経験のないネットワークにとって運用には困難を極めましたが、都民センターはじめ首都圏の被害者支援センターのご助力のお蔭で創設、運営することができるようになり、また、電話相談員の皆さんの使命感に満ちた活動の賜物であると深く感謝いたしております。
 全国の相談員等の皆様の活動に報いるべく警察庁のご協力を得て表彰制度を創設できました。被害者支援功労者にネットワーク及び警察庁から栄誉賞、特別栄誉賞を授与することとし、職員の方々には功労職員表彰、功労のあった被害者支援センターには功労団体賞を授与、また、私たちの活動を支援いただいている方々に感謝状を授与して長年のご貢献にお応えすることといたしました。さらに、ネットワークが内閣府賞勲局の認定団体となり、国の褒章(藍綬褒章)及び叙勲も受けることができるようになりました。
 広報啓発活動に関しては、支援二ユースやネットワークニュース、被害者の声、年間活動報告等の発行、全国犯罪被害者支援フォーラムの開催、ACジャパンによるテレビ等の全国的な広報活動、SNSを活用した全国的な広報啓発活動を展開することができました。
 組織活動に関しては、全都道府県の被害者支援センターが公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体の指定を受けることができました。また、全国及びブロック事務局長会議、全国理事長会議等を通じて課題や支援活動状況の共有を図り、ネットワークと各被害者支援センターの連携強化に取り組んで参りました。
 最大の課題である財政基盤の確立に関しては、先輩の皆様方のご努力で実現した預保納付金による助成の充実に努め、また、寄付型自販機設置やホンデリング等の施策を全国的な活動へと充実させることができました。財政基盤の確立はネットワーク、各被害者支援センターともに今後の大きな課題ではありますが、これまでの活動を積み上げて、支援活動の基盤を一層強化・充実されていくことを願っております。
 ネットワークの組織運営は、10年ビジョンに基づき組織の意思決定(理事会)と執行(部会)に再編成し、人事諮問委員会、ガバナンス委員会により客観的な組織運営に努めて参りました。ブロック担当理事の皆様のご努力より、ブロック研修やブロック事務局長会議を通じて被害者支援センターとネットワークの組織的な連携も深まってきております。
 私自身は、全国の被害者支援センターを訪問させていただき、理事長はじめセンターで活動しておられる多くの皆様方と被害者支援活動の現状や課題を共有することができ、ネットワークの3年計画や10年ビジョンの策定やネットワークの組織運営に活かすことができました。また、各被害者支援センターが主催される犯罪被害者支援フォーラムに参加させていただき、犯罪被害者支援の広報啓発活動の助力をさせていただくことができ、大変有り難く、深く感謝しております。
 以上活動の一端を申し述べましたが、これら諸事業は、全国の被害者支援センターの皆様の弛みないご活動と、ネットワークの顧問の皆様からのご助言、そしてネットワークの理事、部会・委員会の皆様のご努力の結果であり、関係の皆様方に深くお礼申し上げますとともに、皆様方の今後一層のご活躍とご多幸を心から祈念いたしております。

 今後は日本の被害者学の権威者であり、被害者及び被害者支援に深い思いをお持ちの椎橋理事長の下で日本の被害者支援活動が一層充実・発展することを心より願っております。

令和二年六月  公益社団法人全国被害者支援ネットワーク 前理事長 平井 紀夫

  関連記事

no image
犯罪被害者等電話相談0570-783-554 は通常通り開設いたします
犯罪被害者等電話相談(犯罪被害者等電話サポートセンター)は、通常通り開設いたします。(緊急事態宣言を受けての開設時間の短縮及び閉鎖は実施しま ...
ホンデリング(チャリボン)活動のご報告
全国の被害者支援センターと全国被害者支援ネットワークの犯罪被害者等支援活動に中古本でご寄付をいただくホンデリング(チャリボン)につき、ご報告 ...
no image
8/9 Ⅱ-1 被害者電話相談の基本  定員に達しました
秋期全国研修会分科会「Ⅱ-1 被害者電話相談の基本」は定員に達しましたので、締め切りました。たくさんのお申し込みありがとうございました。※こ ...
no image
平成30年度事業報告書を掲載しました
全国被害者支援ネットワークの平成30年度の事業をまとめた「平成30年度事業報告書」を掲載しています。 こちらからご覧ください。平成30年度事 ...
no image
犯罪被害者の声 第11集 (平成29年度版)ができました
毎年秋に発行している「犯罪被害者の声 第11集(平成29年度版)」を、この度10月に発行いたしました。「犯罪被害者の声」は平成20年に第1集 ...
no image
【開設時間変更のお知らせ】4/3(木)犯罪被害者等電話相談 15:00までといたします
犯罪被害者等電話相談0570-783-554は、2025年4月3日の開設時間を業務都合により以下に変更いたします。 通常 8:00~21:0 ...
全国犯罪被害者支援フォーラム2023採録版発行しました
10月に開催した全国犯罪被害者支援フォーラム2023の模様をまとめた「全国犯罪被害者支援フォーラム2023採録版」を発行しました。 アンケー ...
no image
テレビ朝日系列「テレメンタリー」(12/18他)放映のお知らせ
この度、当団体の芦塚増美理事が支援した事件について、テレビ朝日系列にて放映されます。 番組内容は以下のとおりです。 ぜひ、ご覧ください。 2 ...
no image
埼玉犯罪被害者援助センター 相談電話開設時間変更のお知らせ
2026年4月1日より埼玉犯罪被害者援助センターの相談電話開設時間が変更になります。 ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解くださるようお願 ...
no image
相談員募集のお知らせ
公益社団法人全国被害者支援ネットワークは、全国48の加盟団体と共に犯罪被害者と被害者家族・遺族が、いつでもどこでも必要な支援が受けられ、その ...