
全国被害者支援ネットワークは、欧州における先進的な被害者支援の取組の実態を学ぶため、フィンランドとイギリスで「第二回海外調査事業」を実施しました。10 年前の平成28(2016)年の2 月から3月にかけて実施した一回目の海外調査事業は、欧州における先進的な被害者支援の取り組みの実態を学ぶためイギリスとドイツの関係団体を視察。多くの貴重な情報を得て、冊子として刊行しました(「平成27年度海外調査事業(イギリス・ドイツ)活動報告書」)。その内容は日本の被害者支援のために活用され、被害者支援活動の充実に相当程度寄与したものと推察されます。

第二回海外調査事業で視察したフィンランドとイギリスの視察報告書のダイジェスト版

どうも初めまして。みなさまの犯罪被害者支援のおかげで裁判にも参加できました。いろいろありがとうございました。なんで、こういう講演を始めたかというと、カウンセラーさんに「してみいひんか」とお誘いを受けたからです。今もカウンセリングを受けていて、ほんとに助けてもらっています。割と正常でいられたのは、そのおかげだと思っています。

「まず、被害者の方が支援につながるまで、さまざまな壁が存在している」と人間環境大教授の藤代富弘氏が口火を切りました。支援経験で見てきた性暴力被害の実態を踏まえた架空事例を示しながら、親の口止めや、「誰も信じてもらえない」といった予期的なスティグマ(偏見)などが被害相談を阻害しているといいます。羞恥心や自責感、性意識の未熟さなどの心理的要因を挙げ、子どもたちには「気づきのスイッチ」を入れる教育や安心感の提供、人を信じる力を取り戻すなどの心理面からの支援が必要としました。

私は精神科医ですので、そうした視点を含めて30 年をふりかえりたいと思います。犯罪被害者支援の領域は多様です。法律や制度に基づく支援、皆さま方のような民間団体や地域の自治体、学校、職場、さらに医療や精神保健、心理の専門家の支援。弁護士による刑事・民事の手続き支援も必要ですし、福祉の担当者、教員も支援にかかわっています。