第二回海外調査事業で視察したフィンランドとイギリスの視察報告書のダイジェスト版
まず、Police and Crime Commissioner(PCC)(警察・犯罪コミッショナー)および全国レベルでの協会(APCC)の役割について簡単に説明します。その後、同僚から被害者支援の調整における私たちの役割について説明し、最後に地域での実践事例を紹介します。 PCC 制度は2012 年に創設されたため、比較的新しい制度と言えます。全国的に見ても、PCC は、国・地域の両レベルで指導的存在として認知されることに苦労してきたと言えます。しかし近年では、この制度が強化され、地域レベルで成果を変革する有効な仕組みとして広く認知されるようになっています。
PCC(警察・犯罪コミッショナー)制度は2012 年に導入された制度である。イングランドおよびウェールズの43 の警察管区ごとに住民から選出されるPCC が、警察運営の透明化や民主的統制の強化を図りつつ、地域に即した「警察・犯罪計画(Police and Crime Plan)」を策定・実施する役割を担う。これに対して、APCC(警察・犯罪コミッショナー協会)は、これら43 名のPCC からなる協会であり、地域の優れた取り組みを国レベルに吸い上げるとともに、政府との交渉やPCC 間の調整を行う組織である。
公益社団法人全国被害者支援ネットワーク(NNVS)では、日本財団の助成を受けた海外調査事業として、欧州の先進的な被害者支援の取組みの実態を学ぶ目的で、令和7(2025)年9月14 日から9 月21 日の8 日間に10 名の視察団を派遣した。派遣先はフィンランドのヘルシンキとイギリスのロンドンの2 都市である。同じく日本財団の助成を受けた前回の海外調査事業(イギリスおよびドイツ)(注)以来9 年ぶりの視察であるが、この間のイギリスとEUの犯罪被害者支援活動の新たな展開を現地で見聞できたことは、前回にも増して、実に多くの刺激と学びを得る機会となった。