
イングランドおよびウェールズのVictimSupport は1974 年に設立され、本年で50 周年を迎えました。私たちは世界で最も古い被害者支援サービスであると考えています。この仕事に誇りを持ち、従事できることを光栄に思っています。本日皆さんをお迎えできるのは大変うれしいことです。私たちが直面する課題、提供する支援、そして行うアドボカシー活動は世界各地でも共通しており、被害者支援サービスには大きな共通性があると感じています。当団体は、被害者が支援を受けていないことに気付いた警察、保護観察所、さらには教会など複数の組織により設立されました。

VS(Victim Support)は、イギリスにおいて、被害者支援を行っている独立の慈善団体である。1974 年に設立され、昨年に50 周年を迎えたことからも分かるとおり、歴史ある指導的な団体である。 1980 年代には、活動は全国に広がり、地方自治体レベルで被害者支援体制が確立された。そして、1985 年には、全国殺人被害者支援サービス(National Homicide Service)が始まり、1989 年には、裁判の証人に対する支援が開始された。

公益社団法人全国被害者支援ネットワーク(NNVS)では、日本財団の助成を受けた海外調査事業として、欧州の先進的な被害者支援の取組みの実態を学ぶ目的で、令和7(2025)年9月14 日から9 月21 日の8 日間に10 名の視察団を派遣した。派遣先はフィンランドのヘルシンキとイギリスのロンドンの2 都市である。同じく日本財団の助成を受けた前回の海外調査事業(イギリスおよびドイツ)(注)以来9 年ぶりの視察であるが、この間のイギリスとEUの犯罪被害者支援活動の新たな展開を現地で見聞できたことは、前回にも増して、実に多くの刺激と学びを得る機会となった。

我が国における被害者支援は、被害者の声を真摯に受け止めた関係機関の努力により、この数十年で飛躍的な進歩を遂げ、中には我が国特有の支援策も策定されているとの評価もあります。とはいえ、なお必要とされる支援は多いと指摘され、残された課題も少なくありません。そこで、当ネットワークは、第5 期5年計画の中に、その後さらに発展を続けている海外の被害者支援の実態を把握し、我が国における犯罪被害者支援活動の進展に役立てる項目を立てました。

テーマは「被害者がいつでもつながることができる支援」となってございます。平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し、5年ごとに基本計画を見直しております。現在、第5次基本計画策定の議論が進んでいると聞いております。そのような中で、被害者が希望する支援を、いつでも、どこでも受けることが、どこまで進んでいるのか。これは、ここにいらっしゃる皆様もご存じだと思いますが、まだ道半ばであるかと思います。