全国被害者支援ネットワークは、欧州における先進的な被害者支援の取組の実態を学ぶため、フィンランドとイギリスで「第二回海外調査事業」を実施しました。10 年前の平成28(2016)年の2 月から3月にかけて実施した一回目の海外調査事業は、欧州における先進的な被害者支援の取り組みの実態を学ぶためイギリスとドイツの関係団体を視察。多くの貴重な情報を得て、冊子として刊行しました(「平成27年度海外調査事業(イギリス・ドイツ)活動報告書」)。その内容は日本の被害者支援のために活用され、被害者支援活動の充実に相当程度寄与したものと推察されます。
第二回海外調査事業で視察したフィンランドとイギリスの視察報告書のダイジェスト版
イングランドおよびウェールズのVictimSupport は1974 年に設立され、本年で50 周年を迎えました。私たちは世界で最も古い被害者支援サービスであると考えています。この仕事に誇りを持ち、従事できることを光栄に思っています。本日皆さんをお迎えできるのは大変うれしいことです。私たちが直面する課題、提供する支援、そして行うアドボカシー活動は世界各地でも共通しており、被害者支援サービスには大きな共通性があると感じています。当団体は、被害者が支援を受けていないことに気付いた警察、保護観察所、さらには教会など複数の組織により設立されました。
VS(Victim Support)は、イギリスにおいて、被害者支援を行っている独立の慈善団体である。1974 年に設立され、昨年に50 周年を迎えたことからも分かるとおり、歴史ある指導的な団体である。 1980 年代には、活動は全国に広がり、地方自治体レベルで被害者支援体制が確立された。そして、1985 年には、全国殺人被害者支援サービス(National Homicide Service)が始まり、1989 年には、裁判の証人に対する支援が開始された。
本レポートでは、イギリス・ロンドンに設置されたPaddington Haven, near to St CharlesCentre for Health and Wellbeing(west)を視察して得られた知見を述べる。この施設は、ロンドンに3 か所ある性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(sexual assault referralcentres:SARC)、The Havens の中の一つである。本レポートは、日本の関係機関および専門家への情報提供を行うと共に、国内における性暴力被害者支援体制の構築に向けた示唆を得ることを目的とする。