テーマは「被害者がいつでもつながることができる支援」となってございます。平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し、5年ごとに基本計画を見直しております。現在、第5次基本計画策定の議論が進んでいると聞いております。そのような中で、被害者が希望する支援を、いつでも、どこでも受けることが、どこまで進んでいるのか。これは、ここにいらっしゃる皆様もご存じだと思いますが、まだ道半ばであるかと思います。
「30年をふりかえって」ということですが、犯罪被害者支援の視点というのは多様ですから、今までの歩みを精神科医という私の立場から見てどうかということをお話ししたいと思っております。また、犯罪被害者あるいは様々な暴力被害に遭った方の治療という点ではPTSDの治療が非常に大事になってまいりますので、研究者の立場からも、ふりかえりができればと思っております。さらに、30年のことをふりかえってみると、大きく制度が変わる時には当事者の力が中核になっています。フォーラムのテーマは「すべての被害者を『ひとりにしない』支援」ですから、どのような現状と課題があるのかということもお話しできればと思います。

性犯罪被害者は女性であると、つい思い込んでしまう。今も多くの方々には、そのような傾向があるのではないかと思います。最近マスコミ等でも報道されました、とある芸能プロダクションの事件で、男性に対する性加害問題が、かなり多くの方に認識されるようになりました。それでも男性の性被害についての認識が幅広く世の中に知れ渡ったとまでは、いえないのではないかと思います。男性の性被害者も女性の性被害者同様、長期的支援が必要になる重篤な被害を受けられる方も決して少なくありません。

本日の内容ですが、被害者支援センターの皆様にアンケート、ご協力いただきましたので、アンケートの回答についてご紹介してから、性暴力がどうして「暴力」なのかですとか、その発生のプロセスや、相談することを困難にしている社会的背景、そして、ひとりひとり、どういったことができるだろうということについて、お話しさせていただければと思います。