犯罪被害者に寄り添い支える 公益社団法人 全国被害者支援ネットワーク

全国被害者支援ネットワークは、全国48の加盟団体と連携・協力しながら
犯罪被害に遭われた方々へ支援活動を行なっています。

犯罪被害者の声 夫への思い

夫への思い

公益社団法人被害者支援センターとちぎ
自助グループ「あかしの会」
Y・H
「犯罪被害者の声第15集」より

家族を一番に大切にしてくれ、一家の中心でした。とても子煩悩で娘をかわいがり、職場やあちこちへ連れて行ってくれました。
お互いの両親と兄妹も大事にしてくれて、おだやかであたたかい明るい夫でした。夫婦でいろいろな事を相談しながら乗り越えてきました。いつも隣にいて話し、朝夕の景色に同じ思いを話したのにと思います。
仕事にも熱心で、学校のお子さんたちのことをうれしそうに話していました。家の農業も仕事のかたわら休みの度に働いていました。
歴史が好きでした。地域の事も頼まれると引き受けてよくやっていました。
山登りが大好きで、友人たちや町のサークルで年に数回行くのを楽しみにしていて、夫婦でも時々出かけました。 
仕事からはじめたパン作りや、チョコ作りをして家族や友人にそれを食べてもらってはうれしそうにしていました。
退職後に農業や旅行やしたいことがたくさんあり、ずっと働いてきて休む間もなく亡くなってしまったのが無念です。亡くなった後に生まれた孫を見せてあげたかったです。どんなに喜んで可愛がってくれただろうかと思います。
夫は稲刈りの後、帰宅途中に後ろから追突され、六時間後に亡くなりました。私や娘たちの呼びかけに必死に返事をしようとしてくれていました。追突してきた運転手の女性は、私の目の前で救急隊員の方に、時速百キロ出ていたと答えていました。その女性が制限速度を守り、前を見て運転していれば、夫が追突されることはなかったのではないかと、何度も思いました。注意を払うことなく運転などしないでほしいと強く思います。
事故の後、被害者支援センターとちぎの方々に付き添いや助言をしていただくなど心強い思いでした。犯罪被害によりやはり大切なご家族をうばわれた方々と、あかしの会の参加でお話しすることができて、支えになっています。