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犯罪被害者に寄り添い支える 公益社団法人 全国被害者支援ネットワーク

全国被害者支援ネットワークは、全国48の加盟団体と連携・協力しながら
犯罪被害に遭われた方々へ支援活動を行なっています。

犯罪被害者の声 私のお薬 私たちの宝物

私のお薬 私たちの宝物

認定NPO 法人おうみ犯罪被害者支援センター
匿名
「犯罪被害者の声第11集より」 

平成28年7 月12日、事件がおこりました。N さんと相談員は、事件直後からの電話相談や面接相談に始まり、検察庁や法律事務所にも一緒に行き、その間、犯罪被害カウンセラーとのカウンセリングのために、毎週毎週、遠くからセンターまで通って来られ、共に悩みながら前に向かう道を探し続けました。
その中でも、Nさんと相談員は日常的にメールや手紙で想いを共有しながら、夏が過ぎ、秋が深まり、そして厳しい冬のある日。
Nさんは新しい道を見つけて、一歩ずつ歩み始められました。しっかりと前を向いて進んでいかれるN さんの姿からは、私たちの方が多くのことを学ばせていただきました。
これは、N さんと相談員が交わした手紙の一部です。


おうみ犯罪被害者支援センター様

お手紙を書くのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
私がこちらのセンターへ相談をさせていただいて、5か月になります。
H市から毎週、大津へ通わさせていただく中で、O 相談員から「遠い所を通っていただいてごめんなさい」とよく言われましたが、H市を離れられる事で少し心が静まっていました。一人で家にこもりきると、気が滅入っていたと思い、週に1度面会に行ける事は、私にとって、気持ちを切り替える事ができ、落ち込んだ時も「来週になればセンターへ行ける」と自分を奮い立たせることができました。
「早くセンターの事は忘れたいでしょう」とおっしゃっていただいていますが、事件のこと自体を忘れることは、私はできないと思います。最近になって「落ち着いた?」と聞かれる事が増えましたが、落ち着くとはどんな状態のことを言うのでしょうか?たしかに、法の下での結果は出て、それはどのような結果でも折り合いをつけて納得しようと思っています。でも私の記憶、気持ちの中では一生落ち着くということはないと思います。
心の中でズキズキ一生くすぶり、忘れたと思っても、ふいに思い出すこともあるでしょう。そんな時、事件の思い出と共にセンターの皆様の事を思うようにしています。辛い思い出の中で、出会えた人の事を思うと「無駄な経験じゃなかったかな?」と考えられます。なので、一生、センターの皆様を忘れるという事はできません。辛い事がヒョッコリ顔を出した時に打ち消してくれる「お薬」のような存在なのですから。
  「あなたの味方です」と言っていただけて嬉しかった。家族に頼り過ぎ負担になりたくない私の逃げ込める場所です。一つ不満があったとしたら皆様、優しすぎて、甘え過ぎてしまう事でしょうか?
これからも相談事ができたら頼らせていただこうと厚かましくも思っております。強くなりきるまで、もう少し頼らせてください。よろしくお願いします。多くの感謝を込めて。
Nさんより 

Nさんへ

私が初めてお会いしたのは、センターの面接室に来てくださったときでした。その時のNさんは、清楚で真面目そうな方だという印象でした。でも、下を向いたまま表情も硬くて「一人で大丈夫かな」と心配していました。そして、毎週毎週ここまで来てくださる毎にだんだん表情が軟らかくなって、顔も前に向き、毅然とした姿勢に変わりました。いつの頃からかセンターにいるスタッフにまで「こんにちは」「失礼します」と声をかけてくださるようになりました。ご自分の中で進む方向・目的をきちんと定めて動き始められたのだなと、私たちにもその決意が伝わってきました。
そこに至るまでには、Nさんの中でずいぶん辛い日もあったと思います。なのに、私たちにまで気を遣ってくださるNさんの姿からは、本来のNさんの明るさや優しさや繊細さや強さが戻ってきたのだと、本当に嬉しくなりました。そして、ご自身の傷ついた心を癒すべき慰謝料までも「被害者支援のために使ってください」と言っていただいたその温かいお心に触れて、Nさんのお人柄がその全てを物語っているように私には思いました。
長い被害者支援の中で、こんな体験をさせていただけたことは私たちにとっても「宝物」としてこれからも大切にしていきます。本当にありがとうございました。
OVSC 相談員M より

おうみ犯罪被害者支援センターの皆さまへ

お久しぶりです。皆さまお元気でしょうか?
メールを頂いていたのに返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
今年の1月に就職してから、毎日全力疾走で過ぎ去って行ってます。
疲れ切って自宅に戻り、家事をして一日が終わるのが早く、充実しているのかさえ実感が湧きません。
忙殺されていれば、昨年のことも思い出さないのかというと、ふとした空白の時間に、常に当時の嫌な思い出がよみがえってきます。私の生活圏も以前と変わってないので「いつか前の会社の人にあったらどうしよう…」「もし加害者と出くわしたら…」と思い悩むこともあります。
通勤時にすれ違う車が事件に関係ない人かどうか、緊張しながら走っていると気付いたときはショックでした。
半年前の私なら、自分に落ち度があったからそんな風に考えるのだと悩み、泣いていたでしょう。けれど、今はOVSCの皆さまに頂いた言葉があります。ビクビクしながら生活していたときに相談員さんが仰っていた「被害を受けた者が逃げ隠れしなければならないなんておかしい」という言葉を思い出し「私が加害者へ怯える必要はないはずだ」と奮起しています。
もっと強くなった頃に事件の人に出会ったら、ニッコリ笑って「どちら様?」といえるくらいになれたらいいなぁと思ってます。
今でも、夢に出てきたり引きずっているのかな…と思うときは、感謝状とメールを見直して「一人じゃないんだ」と安心しています。 
           (以下 略 )
 Nさんより

Nさんへ

お便りありがとうございました。お久しぶりです。
お仕事にご家庭にと真摯に取り組んでいらっしゃる様子、やっぱりあなたらしく過ごしておられるようで尊敬しておりました。
初めての新たな職場でのお仕事、人間関係、仕事の責任の重さや、多忙な毎日… そんな中で一生懸命生きていらっしゃるのですね。
当時の嫌な思いがふとよみがえったり、周囲にビクビクしている自分に気付かれたり…そのような思いと闘いながら…が伝わってきました。
それでどうしてもお便りしたくなりました。
「通勤時、周りの人に緊張しながら走っている…その事に気付いたときショックだった」と書かれていました。
ここがあなたのすごいところです。そして「被害を受けた者が怯える必要ない」「悪いのは加害者なのだ」と奮起できた。
もちろん奮起できる日ばかりではないと思います。過去も消えないし、受けた傷もなかったことにはならないでしょう。でも、必ずずっと小さくなって、あなたの素晴らしさの方が大きくなって、もっともっとしなやかに強くなっていきます。
あなたには「私は大切にされる存在なのだ」「かけがえのない大事な大事な娘であり、姉であり、友人であるんだ」という自分を愛する根っこをしっかりお母様からいただいています。微力ながら私もセンターのみんなもあなたの味方です。
我慢しないで「聞いて~」と言ってきてくださいね。
          (以下 略)
OVSC 相談員O より