NPO法人全国被害者支援ネットワーク

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活動報告

「犯罪被害者支援の日」第2回中央大会


大会プログラム(別ウィンドウで開きます)

メインテーマ:共にみつめよう!被害者の現状とできること

 平成16年10月3日(日)12時より、千代田区一ツ橋の共立講堂において全国被害者支援ネットワーク主催による、「犯罪被害者支援の日」第2回中央大会が開催されました。これは、昨年の『犯罪被害者支援の日』制定記念・中央大会の2回目にあたり、本年度は、13団体の自助グループの方々の共同参画のもと日本財団より特別協賛、(財)ひまわり基金、(財)犯罪被害救援基金からご協賛、(社)被害者支援都民センター、ベル株式会社に協力、警察庁、法務省、(財)社会安全研究財団からご後援をいただき、あいにくの雨天にもかかわらず、380名の参加者により盛大に行われました。
会場受付には、昨年の中央大会から集まった折り鶴1571羽が飾られました。この折り鶴には、全国被害者支援ネットワークが1999年に作成した「犯罪被害者の権利宣言」が印字されています。10月3日の「犯罪被害者支援の日」は全国の加盟37組織も同時にキャンペーン活動を行っており、この中央大会に参加できない支援者の想いがこの鶴にはこめられています。

ホール2階には参画団体・支援団体による17つのパネルブースが展示されました。狭い空間ながら、時間的にはゆっくりと展示を見ていただくことができました。本年は参画団体の方々のご希望により、ビデオ、パワーポイント、ラジカセ等で展示物のみならず、映像、音楽など、様々な工夫がこらされておりました。

 本大会は、総合司会の全国被害者支援ネットワークボランティア第1期生、奥田江里子のもと、13時半より開会されました。

 まず、始めに、当ネットワーク会長・(社)被害者支援都民センター副理事長である山上皓より、開会の挨拶をさせていただきました。 山上は、被害者の真のニーズに応えるには、事件直後の、被害者がもっとも大変な思いをされる時点からの、危機介入、生活支援等、早期支援の充実が不可欠であるが、早期支援の実現には、今の何倍もの人手と資金が必要であり、民間ボランティア団体の努力だけでは限界がある。それゆえ、欧米諸国同様、国による活動への支援が必要であることを述べました。
 犯罪被害者の声は、その活動の原点であると同時に、道しるべともなるものである。私たちの支援活動開始のきっかけも、13年前に開かれた「犯罪被害給付制度10周年記念シンポジウム」における一遺族の発言にあった。さらに遡ってみると、30年以上前に当事者である故市瀬朝一氏と、彼を中心とする「殺人被害者遺族会」が、犯罪被害給付制度の制定に大きな貢献をされておられる。私たちは、被害者の声を通して、我が国社会にある多くの矛盾や、欠陥に気づき、そして、今、被害者の声に応えることのできる社会の実現をめざすことが、この国の明日を開く道へと通じると、信じて行動しているものである。
  記念の日の名称にある「支援」という言葉は「支え合い」を意味する。「支え合い」は、人間社会の重要な構成要素となるものであるが、犯罪被害者は同じ社会の一員によって不当に傷つけられ、社会との信頼の絆を断ち切られる体験をされる。それ故に、被害の回復と、失われた信頼の回復に、社会は総力を挙げて取り組む責任があると考え、私達は、この断ち切られた信頼の絆の回復を目指して、被害者支援の充実に努めていく所存である旨、また、「犯罪被害者支援の日」の名称に関しての、これまでのご意見等を踏まえ、当ネットワークにて再度検討する旨を述べ、開催の挨拶とさせていただきました。

國松孝次氏((財)犯罪被害救援基金常務理事・全国被害者支援ネットワーク特別顧問) 國松孝次氏((財)犯罪被害救援基金常務理事・全国被害者支援ネットワーク特別顧問)は、被害者支援をはじめた10年ほどの間に、社会の中で広まり・深まりが少しずつ出来てき、国政のレベルでは法律制定の動きが、警察内の体制としても以前に比べ、被害者に配慮した捜査を行うようになってきたことを話されました。もっとも、犯罪被害者支援をしていく気概・情熱は十分であっても、資金面での支援がまだまだ不十分であるため、今後は国政レベルはもとより、財政基盤の整った民間団体の援助を求めて、大きな国民運動の輪に広がることを期待する、とのお言葉をいただきました。

森田文憲氏(日本財団常務理事) 森田文憲氏(日本財団常務理事)からは、財団の被害者支援に対するこれまでの歴史と理解、資金面での援助や今後の支援のご方針、法律の整備充実への期待等を話され、ご挨拶をいただきました。

 

南谷紀美子((社)被害者サポートセンターあいち) 続いて南谷紀美子((社)被害者サポートセンターあいち)から、「被害者支援に携わって」と題しご報告をいたしました。
次に5名の団体からの「犯罪被害者の声」一時間にわたりご発言いただき、特別講演「絶望から遠ざかる勇気と支援を」と題し、高橋シズエ氏より20分の講演をしていただきました。

当ネットワーク事務局長野田美和 休憩後、当ネットワーク事務局長野田美和より、パワーポイントにより、当ネットワークの歴史、全国の活動紹介、警察・法務省のこの1年の動向、および、この中央大会の13の参画団体の活動の紹介をしました。

当ネットワーク副会長蔭山英順 その後、当ネットワーク副会長蔭山英順より、「犯罪被害者支援策の充実を目指す第2回中央大会決議」を読み上げ、会場の満場一致により採択されました。

くあるてーとさくら16時過ぎより、40分間の「くあるてーとさくら」の演奏後、会場のみなさんと、「上を向いて歩こう」を歌いました。

(社)被害者支援都民センター事務局長大久保恵美子 (社)被害者支援都民センター事務局長大久保恵美子より閉会の挨拶を述べさせていただいた後、本大会に向けて瀬川雄介(常磐大学非常勤講師)氏により作曲された小品「やすらかな祈りのために」を、森谷佳奈氏のチェロ独奏のもと、会場のみなさんからの献花が行われました。これは苦難の道を歩まれた、犯罪被害者に連なる全ての先人たちを悼んで昨年より行われているものであります。

 

森谷佳奈氏 献花にあたって、吉田詔子(NPO法人石川被害者サポートセンター事務局長)および木下文雄(被害者支援センター・ハートラインやまぐち支援事業部長)が当ネットワーク代表として、各組織から送られてきた折り鶴を献花台に運びました。

100名の方々の参加による20分間の街頭行進 雨天のため決行を危ぶまれましたが、傘をさしながらも100名の方々の参加による20分間の街頭行進が行われました。

特別講演(要旨)

高橋シズエ氏(地下鉄サリン事件被害者の会 代表世話人)

高橋シズエ氏(地下鉄サリン事件被害者の会 代表世話人) 私たち犯罪被害者は、事件に巻き込まれるなんて、あるいは大事な家族が殺されるなんて誰も想像しなかった。事件でこんなに人生を狂わされるなんて想像しなかった。楽しい団らんもなくなって、将来の夢も失って絶望してしまう。
 犯罪被害者として全く別の世界をつくって生きることもあるが、絶望から抜け出して、もとの世界に少しずつ戻ることもできる。そのきっかけは自分自身で気づくこともあるし、周囲の人の励ましだったり、よい支援だったりする。特に、亡くなった人のために時間を使うことは、生き残った者の生き甲斐になる。とはいえ、がんばり過ぎないように自分を大事に、自分のペースに合わせて生活していくことが大事。また立場の違う人たちに会うことによって自分自身がみえてくることもある。「これからの自分の人生を大事にしよう」「残された家族を守っていこう」「二度と同じような事件が起きないように訴えていこう」「他の被害者に役立つように何かお手伝いをしよう」と、私たちは新しい目標に向かおうとしている。
  犯罪被害者には適切な支援も必要。臨機応変な対応、柔軟な被害者対策をお願いしたい。

―犯罪被害者の声(要約)―

田原さん(小さな家)

息子が亡くなって15年。当時の私は色々な機関へ足を運びましたが、どこへ行っても法律的なアドバイスをうけることも被害者の心情を理解してもらうこともできませんでした。このような辛い中、全国で初めて被害者支援に立ちあがった小さな家の大久保恵美子さんに励まされ勇気付けられました。小さな家で産声をあげた被害者支援の活動が実り、被害者の心情を汲み取った法の整備が整い、遺族の立場にたった裁判が行われるようになったことを嬉しく思っています。

高倉年美さん(小さな家)

13年前に最愛の娘を亡くした、その瞬間から我が家はめちゃくちゃに変わってしまいました。そんな私たちを救ってくれたのが、この小さな家の仲間たちです。このメンバーは毎日のように会っているわけではありませんが、今日、皆の顔を見た瞬間に、安心感を覚えて暖かい気持ちになれました。皆に助けられたおかげで、私は今、地域の中で被害者の実態を訴えることができるまでになっています。今後も皆に支えられて自分のできることをやっていきたいと思います。

大久保純也さん(小さな家)

大久保純也さん(小さな家) 小さな家は最初、飲酒運転に反対する市民の会としてスタートしました。当時の日本には、被害者支援について参考になるものがなかったので、アメリカのNOVA(全米被害者援助機構)やMADD(飲酒運転に反対する母の会)の理念を参考に、取り組んできました。また、日本の犯罪被害者支援を促進しようと、たくさんのメディアに寄稿や出演をしてきました。と同時に、小さな家の会のメンバーは多くの二次的被害を受けることになってしまったのですが、こうして少しずつ被害者支援が日本に広まってきたことで、今はやってきてよかったと思っております。みなさんにお願いしたいのは、法律が通ればそれで終わりではなく、新たなはじまりであると考えていただきたいということです。そして、私たちと連携を深めていただきながら一層被害者支援を発展させていただきたいと考えております。

鬼澤雅弘さん(NPO法人交通事故後遺障害者家族の会)

鬼澤雅弘さん(NPO法人交通事故後遺障害者家族の会) 私の兄はセンターラインをオーバーしてきた飲酒運転の車両にはねられ、意識不明の重体になりました。事故後、加害者による嘘の説明、市役所幹部である加害者の父親による圧力、警察のずさんな捜査などで、私達家族は身も心もずたずたにされました。交通事故は決して他人事ではありません。交通事故では被害者が死亡あるいは重傷で事故状況について証言できない場合、被害者や遺族を排除した中で捜査が行われるため、結果として「死人に口なし」になります。被害者遺族は当然、事故の真実・原因究明を求めますが、実際は加害者天国といわれるほどの捜査・裁きに泣き、深刻な二次被害を受けるのです。捜査の透明性・公平性の確保、情報開示請求権や犯罪被害者の真相を知る権利の保障、被害者や当事者への交通事故調書の早期開示により、二次被害を防ぎ、裁判の迅速化につながると思います。どうか犯罪被害者のやり場の無い悲しみ、苦しみ、怒りを理解してください。

村井玲子さん(社団法人被害者支援都民センター自助グループ)

村井玲子さん(社団法人被害者支援都民センター自助グループ) 平成12年10月14日、息子は練馬区光が丘の路上で、少年たちに突然金属バットで殴りかかられ、逃げようとしたところを少年に刃物で背中を刺され、殺害されてしまいました。息子は私にとって生きがいで、なくてはならない子どもでした。私は未だに息子の死を認めたくはありません。ただ、民事裁判の中で、加害者少年三人とその親との面会が実現したことで、前進できたような気がします。しかし、修復ができたわけではありません。私は今でも仕事をなんとか続けていますが、決して元気になったわけではありません。被害者遺族は何年たっても気持ちが癒えることはなく、無理をして生活しているということを社会の人々に知ってほしい。そして、加害者少年は法律が守ってくれる部分があるが、被害者遺族を守る法律は今まで何一つなかったということを知ってもらいたいのです。被害者遺族のことを考え、法律で守られるように社会も司法も変わっていってほしいと思います。

内山孝子さん(北海道交通事故被害者の会)

内山孝子さん(北海道交通事故被害者の会) 平成8年4月、携帯電話に夢中になった運転手の前方不注視により、主人を亡くしました。そして、事件後の急激な生活の変化への不安で、私はぎりぎりの精神状態になりました。先ごろの道交法改正で、運転中の携帯電話使用が罰則の対象になりましたが、イヤホンマイクを使えば規制からはずされるのです。ここには、一瞬の安全確認違反が相手の命まで奪ってしまう重大な犯罪であるというとらえ方がありません。背景にあるのは車優先の社会であり、その犠牲者は子どもや高齢者など弱い人たちなのです。また、捜査段階における加害者言いなりの事故調査が作られ、遺族や当事者に事故原因や真相が明らかにならないという当事者と捜査機関の著しいギャップが交通犯罪被害者に二次的被害をもたらします。被害者の会は交通事故調書の早期開示を求めると同時に、事故原因解明と公正捜査のため、捜査の科学化、ドライブレコーダーの義務化など求めています。
私たちは望んで被害者遺族になったわけではありません。故人の名誉と命の尊厳から交通犯罪を軽く扱って欲しくないのです。尊い犠牲を無駄にせず、社会正義が実現されることを強く望んでおります。

青木和代さん(NPO法人犯罪被害者支援の会アピュイ)

青木和代さん(NPO法人犯罪被害者支援の会アピュイ) 息子は平成13年3月31日、少年法改正の前日に17歳と15歳の加害者に2時間あまりのむごい暴行を受け脳死状態になり、4月6日に亡くなりました。交通事故にあい、半身不随となり、壮絶なリハビリを乗り越えやっと歩けるようになった息子を脳死状態になるまで殴り続けて殺したのです。息子の無念の思いを母親として改正少年法ではじめて意見陳述をしましたが、加害者は旧法で裁かれました。加害者が少年という年齢で裁かれ、罰をうけるわけでもなく、一、二年の矯正教育で社会に出て普通に暮らせるのはおかしいと思いませんか。何人の子どもの命が奪われたら国や法律の専門家は考えるのでしょうか。私は加害者が退院したこともどこの少年院に入っていたかも知りませんでしたし、逆恨みされるのではという不安から毎日びくびくしながら生きていかなくてはなりません。日がたてば癒されるということでもなく、こんなむごい現実を受け止められず、日が経つほど寂しさで胸が締め付けられます。それでも、生きることができなかった息子のために、強く生きたいと思います。


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