NPO法人全国被害者支援ネットワーク

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活動報告

犯罪被害者支援策の充実を目指すための決議解説

平成16年2月27日
全国被害者支援ネットワーク

 全国被害者支援ネットワークは1999年5月15日に、「犯罪被害者の権利宣言」を採択した。この「犯罪被害者の権利宣言」は、その「前文」において、犯罪被害や犯罪被害者支援について、次のような基本的な認識に立つことを明らかにしている。

  1. 犯罪被害者は、刑事事件の当事者である。
  2. 被害者支援は社会の当然の責務である。
  3. 被害者支援は社会全体の利益に合致する。
  4. 国、地方公共団体、国民は、それぞれの立場で、被害者支援を行なうべきである。

以上の認識のもとに、別紙の通り犯罪被害者の7つの権利を宣言している。

  1. 公正な処遇を受ける権利
  2. 情報を提供される権利
  3. 被害回復の権利
  4. 意見を述べる権利
  5. 支援を受ける権利
  6. 再被害からまもられる権利
  7. 平穏かつ安全に生活する権利

これらの犯罪被害者の権利は名目的なものに止まるべきではなく、具体的な施策を通じて実現されなければならない。さまざまな法改正などにより、犯罪被害者支援策は次第に充実してきたが、十分とはいえない。施策の充実により、犯罪被害者の権利を具体化し、定着させることが重要である。

被害者支援のために拡充されるべき諸施策

犯罪被害者の権利を具体化するために、今後さまざまな施策が展開され、拡充されなくてはならない。 以下に、それぞれの権利につき、拡充されるべき施策を掲げる。なお、これらの施策は例示的なものであり、これらに限定されるものではない。

  • 「公正な処遇を受ける権利」関係
    被害者支援体制の確立が重要である。そのためには、以下のことが行なわれるべきである。
    • 被害者支援機関への財政的支援を行なう。
    • 全ての地域において被害者支援機関を設立する。
    • 研究・教育・研修等についてのセンター機能を果たす「犯罪被害者総合支援センター」を設立する。
    • 「犯罪被害者への支援活動を行なう者の倫理綱領」を定着させる。
    • 被害者・遺族自助グループの設立・運営に関する支援を行なう。
    • 司法、医療、福祉、教育、矯正、更生保護の各機関において、犯罪被害者の状況やその支援に関する理解が深まるよう、各種の教育・啓発活動を行なう。
  • 「情報を提供される権利」関係
    • 犯罪および加害者についての情報提供や、捜査状況についての情報提供を、十分なものとする。
    • 捜査が長期に亘り継続している事件の被害者等に対して、継続的に情報を提供する。
    • 「被害者等通知制度」や「不起訴記録の公開」などの制度を、法律上の根拠に基づくものにする。
  • 「被害回復の権利」関係
    被害回復のための制度を整備する。具体的には以下の事柄について検討がなされるべきである。
    • 実効性のある被害弁償命令制度や附帯私訴制度を設ける。
    • 「犯罪被害給付制度」に、「被害回復」、「生活保障」の観点を取り入れる。
  • 「意見を述べる権利」関係
    刑事手続きや保護手続きの中で、被害者が単に意見を述べるだけでなく、被害者の参加を推進する。具体的には、次のような制度が検討されるべきである。
    • 被害者による、被告人に対する直接的な質問を可能とする。
    • 被害者による、被告人に対する直接的意見陳述を可能にする。
    • その他、被害者の権利擁護のために必要とされる行為を可能にする。
  • 「支援を受ける権利」関係
    生活支援サービスの拡充を図る。具体的には、次の施策の展開が検討されるべきである。
    • 重い後遺症を抱えている被害者および常に介護を必要とする被害者、並びにその家族への支援
    • 一時的金銭援助
    • 公営住宅、保育所、高齢者介護施設の一時的優先利用
  • 「再被害から守られる権利」関係
    • 刑事司法機関等は連携して、加害者の出所情報などの提供、被害者の安全の確保のための手段を講じる。
    • 繰り返し罪を犯す加害者に対する有効な更生プログラムを開発する。
    • 危険かつ悪質な自動車の運転により死傷事件を起こした運転者についての運転免許制度の見直しを行なう。
  • 「平穏かつ安全に生活する権利」関係
    • 報道機関によって、被害者のプライバシー侵害などが行なわれてはならない。
    • そのためには、報道機関による「被害者報道に関する倫理綱領」の制定や、その他の有効な施策が開発されなくてはならない。
  • 犯罪被害者基本法の制定
    • 犯罪被害者支援が国や地方公共団体の責務であることを明らかにした、「犯罪被害者基本法」が早期に制定されるべきである。
    • 地方公共団体においても、犯罪被害者支援条例などの制定例も見られるが、この種の条例が全国で制定されることが期待される。

諸施策の実現のための行動

全国被害者支援ネットワークは、関係機関が犯罪被害者支援のための諸施策を拡充するよう、積極的に働きかけなければならない。それと同時に、我々も自ら被害者支援活動を行なったり、被害者の状況および被害者支援の必要性に関する広報・啓発活動を行なったりするなどして、活動の充実のために最善を尽くさなければならない。

決議

以上の認識に基き、私たちは犯罪被害者支援策の拡充を目指すために、別紙の通り決議する。

 


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